生成AI時代にヒトは何をすべきか?
- (株)mononofu 代表取締役 清水秀樹
- 7月8日
- 読了時間: 4分

私はマーケティング戦略~戦術設計の専門家ですが、業務内で2030年や2040年の未来予測から、クライアントの長期ビジョンを設計する業務も行っています。
その流れもあってか最近、色々な方に「生成AI使ってる?」、「データ分析もAIを使えばいいのでは?」、「この先、どうなると思う?」といった事を聞かれ、よく議論をしています。
私自身もプロのマーケッターのはしくれとして持論があり、久しぶりのブログ更新と共に記載しようと思います。
①.「インプット→プロセス→アウトプット」で考えると分かりやすい
世の中を表す図としてよくインプット・プロセス・アウトプットがあります。これを軸にしようと思います。
この中の「プロセス(処理)」がどう変わっていくのか?という視点で書いていこうと思い、そのためにまずは全体像を記します。
▼生成AI時代をひもとく1つの考え方 図

まずは一番上の「インプット→プロセス→アウトプット」です。
これは、1990年代を代表するひとつの世の中の捉え方として有名なフレームだと思います。

ですが、今はこの「プロセス」が当時はコンピューターの発達、そして今はAIによる高速化でどんどんスピードは上がっており、既にヒトが行う領域ではなくなってきました。
②.「インプット→クリエイト→アウトプット」という考え方
プロセスの次に出てきたのが「クリエイト」です。

プロセスではなく、ヒトは創造的な作業をすべきとして、クリエイトが2000年代くらいから叫ばれてきました。ですが!そうです。みなさんご存知の通り、ここは生成AIで”ある程度”出来るようになりました。
③.「インプット→セレクト→アウトプット」が現在に必要な考え方
私の考え方ですが、プロセス、クリエイトに変わって「セレクト(選択する)」が現在、あらゆる社会人に必要な考え方だと思っています。つまり、生成AIによってクリエイトされたものを選ぶのはヒト自身という事になります。

ですが、今は「AIでAIを選ぶ」といったことも普通に起きています。少し前まではGPTひとつだったのものが、今では画像生成はもちろん、音楽生成や検索特化型や、論文などを読み込ませてチャット形式で会話できるなど、様々な生成AIが出ており、まさに群雄割拠な状態となっています。
これらを効率的に生成AIで選ぶといった不思議な状態がいまの普通になってきています。そのためAI界隈では、このセレクトの状態、つまり「あなたがどういった生成AIを使うといいか?」を発信できる人が配信などで稼げる人になっていると思います。
④.では、セレクトの先には何がある?
AIの先にASI(人口超知能)やAGI(汎用人工知能)といった言葉もチラホラ出始めています。これらが実現されていく世界でヒトは何をすべきでしょうか?
よくある「AIに仕事を取られる」とかではなく、全てのテクノロジーはヒトがどう使うか?によってその効力が大きく変わる為、セレクトの先を考えてみました。
その答えは・・・・・

「コントロール」だと考えています。
セレクトは、クリエイトを知っていないと判断できず、
クリエイトも、プロセスを知っているとより良いものを創り出すことができます。
という事から、コントロールもセレクトが出来る状態のヒトだけが入れる領域と考えます。
例えば、
■企業売り上げを上げたい
・単なるビジュアル変更や、イメージ向上だけのブランディングではなく
(↑ここはセレクト)
・長期ビジョンを設計して、独自手法で売りの勝ちパターンを設計できる所と協業する
(↑これがコントロール)
といったように、クライアント視点では独自手法を持っているかどうか?で施策会社をコントロールしていく必要があり、逆に施策会社視点で考えるとこれからは独自手法を持っていないとどんどん厳しくなると思います。
他には、
■観光客を増やしたい
・いまだに多い不思議なパンフレット制作と当たり障りないロゴなどを作る
(↑これはクリエイト)
・モノコトイミ消費の先の消費傾向を先読みして、地域自らが魅力発信を自走できるようにする
(↑これがコントロール)
といったように、地域視点では自分たちの魅力を可視化して言語化し、それを実現できる所を選んで管理する事が必要になるため、より戦略的思考が重要になってきます。なので、取りあえずSNSやればいいとかはブランド毀損に繋がるためあまりやらない方がいいでしょう。
まとめ
・インプット→プロセス→アウトプットで世の中を捉えると整理しやすい
・プロセスが、クリエイト、セレクト、コントロールに今後は変化していく
・その際に準備しておくべき事は、戦略的思考を磨いておくこと
└この戦略的思考はまたどこかのタイミングで記載しようと思います。
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